Motornoise Data Maker

公開

 Motornoise Data Maker

Download (2020-04-01 公開, 34.2MiB/35,868,966bytes)

※ サンプルデータが同梱されています。

概要

 BVE5用のモータ音の設定データの作成を補助するアプリケーションです。

更新履歴

2020-04-01
Version 0.1 試験公開

動作環境

 Microsoft .NET Framework Version 3.5がインストールされているWindows上で動作します。

使い方

 当アプリケーションは独自のパラメーターデータを使用し、モーター音データを生成する機能を有しています。このパラメーターデータの書式に関しては「パラメーターファイルの設定」をご覧ください。

ファイルメニュー

Motornoise Data Maker メニュー

開く

 モーター音パラメータデータの読み込みを行います。パラメータファイルの読み込みは、メイン画面へのドラッグ&ドロップでも行うことができます。このパラメータデータの作成法は後ほど解説します。

リロード

 パラメータデータの再読み込みを行います。

エクスポート

ピッチテーブル

 ピッチテーブルをファイルとして出力します。

音量テーブル

 音量テーブルをファイルとして出力します。

サウンド設定

 サウンド設定のうち、モーター音サンプリング音源ファイルを定義するMotorセクションをファイルとして出力します。

終了

 アプリケーションを終了します。

メイン画面

Motornoise Data Maker コントロール

パラメーターファイル

開く

 モーター音パラメーターファイルを開きます。

リロード

 モーター音パラメーターファイルを再読み込みします。

インデックス

 ハイライト表示されるモーター音トラックの番号をあらわします。

パラメーター設定

 このコントロール上において、値の変更がモーター音データのパラメーター設定に反映されるのは「大歯車歯数」と「車輪径」のみです。「速度」と「噛合音周波数」はモーター音データの作成には使用されません。モーター音に含まれる噛合音の周波数特定の参考として使われることを意図しています。

大歯車歯数

 車軸にはめ込まれている大歯車の歯数をあらわします。

車輪径

 列車の車輪の直径をあらわします。

速度

 列車速度をあらわします。この値を変化させると、噛合音周波数も連動して変化します。

噛合音周波数

 減速装置の歯車のかみ合い周波数をあらわします。この値を変化させると、速度も連動して変化します。

噛合音音名

 現在の噛合音周波数の音名を表示します。

試聴

 現在の周波数の歯車噛合音を、正弦波で再現して再生します。

モーター音データのエクスポート

ピッチテーブル(Freq.csv)

 ピッチテーブルをファイルとして出力します。

音量テーブル(Vol.csv)

 音量テーブルをファイルとして出力します。

サウンド設定(Sound.txt)

 サウンド設定のうち、モーター音サンプリング音源ファイルを定義するMotorセクションをファイルとして出力します。

サウンド設定(クリップボード)

 サウンド設定のMotorセクションのテキストをクリップボードに出力します。

パラメーターファイルの設定

 モーター音データの作成を行うためには、まずCSV(Character-Separated Values)形式のパラメーターファイルを作成する必要があります。一列目に設定項目名を文字列で記述し、二列目以降に設定内容を数値もしくは文字列で記述します。当アプリケーションでは狭義のCSV形式である拡張子が.csvのカンマ区切り形式の(Comma-Separated Values; CSV)のほかに、拡張子が.txtのタブ区切り形式テキストファイル(Tab-Separated Values; TSV)にも対応しています。

 パラメーターファイルには、全てのモーター音データに対して行う共通設定と、各モーター音トラックに対して行う個別設定の二種類があります。

 いくつかのサンプルパラメーターファイルと、対応するモーター音サンプリング音源のセットを以下からダウンロードできます。パラメータファイルの設定の参考にしてみてください。

ヘッダ

 パラメーターファイルの一行目にはヘッダ文字列『Motornoise Data Maker Parameter Table 1.00』を記述します。

 ヘッダ文字列の後にコロンで区切って文字エンコードを指定することにより、文字エンコーディングを指定して読み込みを行うことができます。文字エンコーディング指定を省略するか、もしくは不正なエンコーディング指定が行われた場合はUTF-8とみなして読み込みを行います。正しいエンコーディングが指定されない場合、文字化けを起こしてデータが認識されない可能性があります。

共通設定

 設定内容は二列目のみに記述してください。それ以外の列に記述した場合は無視されます。共通設定の設定項目名は以下の通りです。

設定項目名概要
WheelDiameter車輪径
TrainSpeed列車速度
LargeGearTeeth大歯車の歯数
SmallGearTeeth小歯車の歯数
GearRatio歯数比
DecimalPlaces小数点以下桁数

WheelDiameter

 列車の車輪の直径をミリメートル単位で指定します。省略した場合のデフォルト値は820です。

TrainSpeed

 列車速度を指定します。ここで指定した値が、ピッチテーブルの速度定義で使用されます。省略した場合のデフォルト値は90です。

LargeGearTeeth

 車軸にはめ込まれている大歯車の歯数を指定します。省略した場合のデフォルト値は99です。

SmallGearTeeth

 モーター出力軸に継手を介して接続される小歯車の歯数を指定します。LargeGearTeethが指定されている場合は指定の必要はなく、SmallGearTeethに値を指定しても無視されます。

GearRatio

 減速装置の歯数比を指定します。LargeGearTeethが指定されている場合は指定の必要はなく、GearRatioに値を指定しても無視されます。

DecimalPlaces

 エクスポート時に出力される列車速度の小数点以下の桁数を指定します。省略した場合は数値の丸めを行いません。

個別設定

 以下の表はモーター音トラックに対して設定する個別設定の項目名一覧です。

設定項目名概要
SoundIndexトラック番号
GearnoiseFrequency歯車噛み合い周波数
MotornoiseFileName モーター音サンプリング音源ファイル名
Labelコメント

SoundIndex

 モーター音トラックの番号を指定します。必須項目です。複数の列で同じ値が指定された場合、最初の列以外は無視されます。

GearnoiseFrequency

 減速機の歯車噛み合い周波数を指定します。必須項目です。複数の列で同じ値が指定された場合、最初の列以外は無視されます。

 VVVF非同期モード磁励音など、速度にピッチ変化が比例しないモーター音成分のトラックをとりあえず登録だけしておきたい場合、10未満の値を指定してください。その場合、ボリュームを0にしてエクスポートします。

MotornoiseFileName

 ファイル名を指定します。必須ではありません。省略した場合、「Motor*.wav」(*はトラック番号)となります。

Label

 モーター音テーブルにコメントとして付加する文字列を指定します。必須ではありません。

Tips

歯車噛み合い周波数の調べ方

 歯車噛み合い音の周波数の調査を行うには、WaveSpectraなどの周波数解析ソフトをご利用ください。

 モーター音を構成する成分は歯車噛み合い音だけではありませんが、歯車噛み合い音は「音の周波数は列車速度に比例」「車輪径と大歯車が既知ならば音の周波数を列車速度から計算可能」「減速装置を有する車両であれば、起動直後から高速域まで聞こえる音」といった特徴をもっており、列車速度に比例するモーター音のピッチを決定するための指標として有用です。

 直流モーター車両であれば、スペクトルが複雑でないため歯車噛み合い周波数のピークの特定はそれほど難しくありません。しかし、交流モーター車両の場合、インバーターノイズによる磁励音などがスペクトルを複雑にし、さらにそのピークはときに歯車噛み合い音の成分より高くなることもあります。これにより、特に低中速域では歯車噛み合い音のピークの特定が困難になります。ピークの特定が難しい場合、歯車噛み合い音の周波数が特定済みの音源とそうでない音源をPitch Comparerなどを用いてピッチ比較を行い、後者の音源の歯車噛み合い音の周波数を、前者の歯車噛み合い音の周波数とピッチ差の二つを用いた計算によって求めてみてください。歯車噛み合い音の周波数の特定には、Online Drive Train Calcもまた役立ちます。

 歯車噛み合い音は、中高速域で際立って聞こえてきます。歯車噛み合い周波数の調査は、この速度域から始めることをおすすめします。

 歯車噛み合い音は、低速域ではピークの観測が難しくなります。幸いにも直流モーター、交流モーターともに低速域では高音のモーター音成分が含まれることが多いため、かわりにこれをピッチ差の基準してピーク周波数を測定しておきます。それぞれの音源の歯車噛み合い音の周波数は、この高音モーター音成分と歯車噛み合い音の両方の周波数ピークが現れる音源を基準にして、計算にて求めます。