Online Drive Train Calc

公開、 更新

歯数比:
{{ gearRatio }}
{{ output.name }}:
{{ output.value.toFixed(2) }}{{ output.unit }}
モータ回転周波数:
{{ frequencyMotorRotate.toFixed(2) }}Hz
{{ typeElectromagnetic }}磁励音周波数:
{{ frequencyElectromagnetic.toFixed(2) }}Hz
歯車噛合音高:
{{ noteNameGearMesh }}
モータ冷却音高:
{{ noteNameMotorRotate }}
{{ typeElectromagnetic }}磁励音高:
{{ noteNameElectromagnetic }}

概要

 鉄道車両のモータ音の主要な構成成分である、減速機構の歯車の噛み合い音の周波数と、車輪径と減速機構の出力歯車の歯数から列車速度を求めることができます。逆に、既知の列車速度から、噛み合い音周波数を求めることもできます。

 また、歯車の噛み合い音と、高速域でよく聞こえるモータの冷却音の音高を表示します(いわゆる「外扇形」のモータで聞こえる高音の音高はこれとは違います)。

 この相互変換を知っておくと、モータ音のピッチ定義テーブルの作成するときに役立ちます。出力歯車の歯数は車両固有で変えようのない固定値なので置いておき、まず車輪径をある値に固定します。その後、あるモータ音のサンプリング音源の歯車噛み合い音の周波数を「WaveSpectra」などのスペクトル解析アプリを用いて測定します。歯車噛み合い音のピークは、ほぼすべての速度域において観測することができます。さらに、この周波数を上の計算機に入力して列車速度を求めます。この速度値が、BVEのモータ音定義のピッチ設定値が1となる速度となります。こうして機械的にこの作業を繰り返すことにより、精度の高いピッチ設定を行うことができます。慣れていないと噛み合い音のピークを探すのは難しいかもしれませんが、その場合は、おおよそ分かっている列車速度から逆に噛み合い音の周波数を求めることにより、目的のピークの当たりをつけることができます。

 この相互変換の原理は、Honey Watanabe様運営のサイト「急行ハニー」の「役に立つ話#簡単な音の周波数計」にて詳しく説明されています。

更新履歴

2019-05-03
簡易的なモータ音再現機能の実装
すべり値の正負逆転機能実装
誘導モータ(IM)と同期モータ(SM)とで表示を変えるよう変更
2019-04-30
初版公開

使い方

 まず「計算機タイプ」から、既知の噛み合い周波数を列車速度に変換するか、あるいは既知の速度を周波数に変換するかを選択します。

 一番最初の数値入力欄に、選択した計算機タイプに合わせて、既知の値を入力します。そして、出力歯車歯数と車輪径を対象の車両に応じて変更します。これらのパラメータを変更するたびに、下部にて表示されている計算結果(歯数比、求めたい噛み合い周波数もしくは列車速度、音高)が自動で更新されます。

 入力歯車の歯数は速度と噛み合い周波数の相互変換の計算では使用しません。入力歯車の歯数は、歯数比の計算と、発展モードにおけるモータ回転周波数の計算で使われます。

発展モード

 ツール上部の「発展モード」にチェックを入れると、より詳しいモータ音の調査が可能になります。直流モータと交流モータとで指定可能なオプションが異なります。

 発展モードでは、モータの回転周波数と、モータの磁励音の周波数と音高が計算結果表示に追加されます。

直流モータ

 「スロット数」には直流モータ(DC Motor: DCM)の電機子スロット数を入力します。

 ここで計算される「磁励音」は、低速域から中速域でよく聞こえる甲高いモータ音の成分に相当します。

交流モータ

 「極数」はモータの極数を4極と6極のいずれかより選択します。「すべり」には、誘導モータ(Induction Motor: IM)においてモータに印加する磁界の回転速度と、モータの回転速度の差を表す、すべり値を入力します。すべりは加速時には正の値、減速時には負の値となります。同期モータ(Synchronous Motor: SM)では、磁界の回転速度とモータの回転速度が「同期」しているため、すべりは0です。「反転」ボタンを押すと、すべり値の正負を逆にします。

 ここで計算される「磁励音」は、VVVF制御の同期モードに移行後の中速域でよく聞こえるモータ音の成分に相当します。

モータ音の簡易再現

 ※この機能は、Internet Explorerではご利用になれません。

 「発展モード」が有効になっているとき、「モータ音シンセサイザ」のチェックボックスが現れます。さらに「モータ音シンセサイザ」にチェックを入れると、簡易的なモータ音再現を行うための設定画面が表示されます。

 まず、三つのスライダーより、それぞれのモータ音構成成分の音量を個別に設定します。「再生」ボタンを押すとモータ音が再生されます。再生中に各パラメータを変更すると、再生されているモータ音もリアルタイムで変わります。「停止」ボタンを押すとモータ音の再生を停止します。

 計算された周波数の正弦波をそのまま再生するのではなく、モータ音らしく聞こえるように少し工夫しています。歯車噛み合い音は、それとすぐわかるよう、側波を追加し震えるような音としています。これは、たわみ板継手装着車(TD/中空軸平行カルダン駆動)の音を再現したものです。モータ冷却音は、モータ回転周波数の4倍の正弦波を用いての再現としています。

解説

車輪径

 日本の鉄道車両では、車輪径として860mmがよく採用されています。しかしながら、これは新品時の車輪径であり、実車の車輪は定期的に切削を受けることから、その車輪径は一定ではありません。車輪径は車輪の寿命を迎えて交換されるまでにセンチメートル単位で変わります。

 Online Drive Train Calcでは、ノッチ曲線を引く時によく採用される、ちょうど車輪寿命の中間の車輪径であると考えられる820mmをデフォルト値として採用しています。

直流モータの電機子スロット数

 直流モータのモータ音のうち、モータへの通電中に鳴る高音成分の音高を決定づける因子はモータの内部構造です。二つの車両の歯数比・入力歯車数が同じでもモータ音が異なる雰囲気で聞こえる場合、「スロット数」が異なっています。この音の基音の周波数は、モータ回転周波数にスロット数を掛けることで求められます。

 デフォルト値の42は、国鉄型電車用の汎用モータ(MT54・MT61)や、西武2000系、東武10000系などのモータに由来する値です。

交流モータの極数

 大容量のインバータ装置の実用化による、交流モータの本格的な鉄道車両への搭載が始まって以後、永らくその極数には4が採用され続けてきました。近年では東京メトロ16000系や小田急4000形などを皮切りに、極数が6の交流モータが鉄道車両に搭載されるようになってきました。ただし、6極モータばかり採用されるようになったわけではなく、2019年現在は両方が併存して採用されています。

 極数が4から6に変わると、同期モード時の磁励音の周波数は6 / 4 = 1.5倍となります。これは2のn乗倍ではないため、他のモータ音構成成分(歯車噛み合い音など)となす和音が変わり、従ってモータ音の雰囲気も変わります。

磁励音について

 ここでは、磁界の変化が引き起こすモータ音成分を「磁励音」と総称しています。「磁励音」という単語を使用している根拠を、以下に列挙します。

 この単語は、鉄道車両用電装品についての論文「All-SiC素子を適用した鉄道車両用 高効率補助回路システム」の中に使われていることが確認されています。

 また、Wikipediaの英語版に"Electromagnetically excited acoustic noise and vibration"という記事があり、記事名前半の"Electromagnetically excited acoustic noise"は直訳すれば「電磁励起音響ノイズ」、これをそのまま短縮すれば「磁励音」となります。他に、"Electromagnetically excited audible noise in electrical machines"という表現もあるようです。"acoustic"が"audible"に変わっただけで意味はほぼ同じです。